ケンカツドラマ評価に「重い」の声?理想ときびしい現実

ケンカツ(健康で文化的な最低限度の生活)ドラマ評価に「重い」の声も?

初回からきびしい現実と向き合う人々に吉岡里帆さんが圧倒されました。

この展開に原作を知る人の不安もなくなったのでは。

『ケンカツ』の描く理想と現実とは!?ドラマの評価をあらすじとともにご紹介します。

 

 

ケンカツ(健康で文化的な最低限度の生活)は生活保護受給者の実情を描く

7月期のフジテレビ月9ドラマは、生活保護をテーマにしたお仕事ドラマです。

1話の平均視聴率は7.6%と、厳しいスタートとなりました。

 

その数字の原因かどうかはわかりませんが、原作は同名コミックですが、原作好きの方は、軽いノリのテレビCMを見て不安になっていたようです。

原作はもっとシビアで重い雰囲気なのに、CMではかなり明るい感じで編集されていたからです。

 

しかし、第1話を見る限り、そうではありませんでした。

 

主人公の義経えみる(吉岡里帆さん)は、映画が大好きな女子でしたが、夢を追うより現実を取って、公務員になりました。

しかしえみるが配属されたのは、生活保護受給者を支援する生活課でした。
まだ右も左もわからず、生活保護受給者の相談に乗るケースワーカーとして働き始めるのでした。

 

110世帯もの受給者を担当することになったえみるは、先輩ワーカーの半田(井浦新さん)の助けを借りて、1件1件受給者の自宅を回るのでした。

 

生活保護の現実

ここから先はネタバレを含みますのでご注意ください。

 

生活保護とは、厚生労働省のホームページによれば、「生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした制度」です。

 

受給者はそれぞれに問題を抱えています。

病気で働けなくなった人、家族の介護を抱えている人、就活がうまくいかない人…。
ケースワーカーは受給者の生活を見守り、生活保護費が適正に使われているかどうかを確認します。生活保護費は市民の税金だからです。

 

真面目に働いている人からは、税金使って暮らしてる、と批判されることもあるでしょう。

それゆえ、世間から生活保護を受けていることを隠したい人も多いのだといいます。

 

ドラマ中でも、えみるが受給者のお宅を出てすぐに話をしようとしたところ、先輩に話すなと止められていました。
近所の人がどこで聞いているかわからないからです。

この思いは生活保護を受けている人にとっても強く、生活に困窮しているにもかかわらず、あえて生活保護を受けないでホームレスになってしまう人もいるのだとか。

 

生活保護を申請するのは個人の意思によるものですが、憲法にある「健康で文化的な最低限度の生活」を守るため、誰にも頼れない困窮者のためにこそ、この制度はあるのです。

 

初回から重い展開

生活課に配属されたえみるが最初に担当したのは、平川という男性でした。
平川は妻をガンで亡くしてから生気を失くしてしまったと言い、たびたび「死にます」などと電話をかけてくるのでした。

「今から死にます」なんて電話を受けたらそりゃ慌てますよね。

 

近くに住む親せきに連絡して様子を見に行くよう頼むと、「いつものことだから」と言われて本気にしてくれません。

平川という人はどうやら死ぬ死ぬと周りに言いふらす「オオカミ少年」だったようです。

 

こんな電話につきあってへとへとになるえみるでしたが、平川に向き合い、役所に来てくれと留守電に残します。

 

救われなかった人

ところが翌日、えみるはその平川が自殺したと知らされます。

ショックを受けるえみるに、先輩ワーカーは、「担当がひとつ減って良かったじゃん」と耳打ちします。

えみるはこの言葉に二重にショックを受けるのでした。

 

初めて担当した受給者の死。えみるは夜、1人で声を上げて泣きました。

いきなり人が死ぬという重い展開でした。

 

次にえみるが担当した受給者は、阿久沢(遠藤憲一さん)という1人暮らしの中年男です。
求職中ですがなかなかうまくいかないと言います。

区役所で面談を行っている最中も咳が止まらなかったので、健康診断を受けさせたりもしましたが異常はなしでした。

 

ただ、食事をあまりとっていないようでした。

先輩ワーカーは、食費を削らねばならない理由が他にあるのではないかと指摘します。
たとえば、ギャンブルとか。

 

えみるが家庭訪問すると、室内は質素で、ギャンブルや高価な買い物をしたりもしていないようでした。
冷蔵庫をみると、なにも入っていない状態でした。ふと見ると、冷蔵庫の扉に貼ってあった催告書を見つけます。

阿久沢は借金を返済していたのでした。
事業の失敗で多重債務を抱えており、生活保護費のほとんどを返済に充てていたため、食費も困るほどだったのです。

 

えみるは「法テラス」を紹介します。

 

債務者を救う法テラスとは

ここで「法テラス」について紹介しておきましょう。

法テラスとは、日本司法支援センターのことで、国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」的存在です。
刑事・民事を問わず無料で相談に乗ったり、経済的に余裕のない人が法的トラブルにあったときに、無料法律相談や必要に応じて弁護士・司法書士費用などの立替えまで行う機関です。

今回の阿久沢のケースは「借金問題」ですから、まず債務整理をして、借金を減額するための適切な方法を教えてもらったりします。
また、法定金利を超える返済をしていた場合、過払い金があるかどうかも無料で調査してくれるところもあります。

 

救われる人もいるという事実

阿久沢は、過払い金が発生しており、借金はすでに払い済みで、さらに150万円の過払い金が戻ってくることがわかりました。

この15年、借金返済に追われて生きてきたという阿久沢は、久々に笑顔になりました。
阿久沢は、もっと早く教えてくれればよかったのに、と言いますが、借金で苦しんでいると落ち着いてこういった情報を探すことさえ困難になることも。

借金があると生活保護を受けられないのでは?ということもあったと思います。

 

この制度が、どういうものなのか、例えば借金があっても大丈夫なのか、などもっと積極的に知る機会があればよかったのだと思います。
そのためには、やはりケースワーカーとの信頼関係が大事なのでしょう。

 

お金が戻ってくることになったので、生活保護は打ち切りになります。

これで阿久沢の就職がうまくいけば、めでたしめでたしですが、それはこれからの課題になるでしょう。

 

さいごに

苦しんでいた受給者がこういうケースで減るのが理想的ですよね。

遠藤憲一さん演じる阿久沢は2話以降も登場するようです。

 

吉岡里帆さんら若手が出演するドラマにしては、少しテーマが重いのかもしれません。

しかし、出演者の魅力によって生活保護という問題や福祉やそれぞれの生き方について学ぶ良い機会になると思います。